2025年最初の旅行、超大型低気圧が接近し荒れ気味の太平洋の航海。
数日欠航が続いていた八丈島航路の橘丸は、入港できなければ出港地に引き返す条件付きとはいえ出航が決まった。
果たして橘丸は無事に八丈島まで運んでくれるのだろうか。
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初乗船の橘丸を探検
東京は浜松町、竹芝桟橋から出航する東海汽船の客船は伊豆大島方面に向かうさるびあ丸と、八丈島方面に向かう橘丸の2航路がある。
さるびあ丸は伊豆大島、新島と何度もお世話になっているが、八丈島へ向かう橘丸には今回が初乗船となる。
閑散期ということで船内はかなりガラガラ、というのは想定済みで一部屋貸切になると踏んで今回は一番安い2等和室を予約。
他の船室とは違って、枕と床しか無いのだが、このように混んでいなければこの広い空間を広々と使えるので、タイミングによってはオススメのグレードとも言える。
ちなみに空いていたので特2等寝台も覗き見してみた。
さるびあ丸とは違って12人で1単位の2段ベッドとなる。
船内設備はさるびあ丸と概ね同一なのだが、一番の違いはレストランの横に”ラウンジ橘”というフリースペースが併設されていることだろう。
レストラン営業時間外でもここで過ごす事ができるのだが、さるびあ丸にはこのようなフリースペースは無い。長時間の航海になると、こういうちょっと気分転換に来れるスペースがかなり有難い。
飲み物のほか、軽食やカップラーメンの自販機もある。
また冷凍食品の自動販売機と専用電子レンジも2台あり、レストラン営業時間外でも食事がする事ができる。
ちなみに客室エリアの自販機には、アメニティやグッズの自販機、冷凍ケーキ、マカロンの自販機もある。
この日は冷凍の汁なし担々麺を食べた。
レストランのメニューはさるびあ丸と同じ。
外部デッキもあるのだが、海上が荒れぎみだったので、この日は5甲板のみの開放だった。
6甲板に上がるとファンネルを見る事ができる。
シャワー室もさるびあ丸同様に男女各3つ用意されているのだが、さるびあ丸は100円で3分に対して、橘丸では5分利用できる。シャンプー兼ボディーソープが備え付けられている。
ドライヤーはさるびあ丸と同じで、かなり出力の弱いものだった。
三宅島三池港での夜明け
低気圧が太平洋を通過した関係で海はかなり荒れていて、今まで乗った船の旅の中でもいちばんの揺れでだいぶ睡眠が浅かったように思える。
そんな中船は順調に三宅島に接近。
おはよう放送が流れると、時刻通り三宅島に入港できる見込みだが御蔵島、八丈島は欠航が決まった。と案内された。
うとうとしていたのだが”欠航”の単語を聞いた途端パッチリと目が覚めた。
朝5時の三宅島は真っ暗。意外と三宅島で下船する人が多い。
中には欠航を受けて三宅島に目的地を変更した人もいたのだろうか。
御蔵島、八丈島まで乗るはずだった乗客は船内で待機、三宅島は7時に繰上げ出航し(定刻は13時45分)東京・竹芝桟橋へ折り返すことになる。
レストランの朝食営業も中止となった。
下船する客が捌けたら一旦タラップを外され、約2時間三池港で波に揺られていることになる。
ちなみに東京港湾局のデータによると、橘丸の就航率は通年だと90%ほどなのだが、冬季は83%まで下がっており、やはり冬の方が接岸が難しいことが伺える。
日の出は出航とほぼ同じ時間だった。
三池港に着岸した時は、漆黒の闇の中に灯りしか見えていなかったサタドー岬灯台の姿が、もう周りの地形まではっきりと見えている。
雲の隙間から漏れ出る朝日と貨物船がいい感じの位置にいた。
本来なら三宅島の次の寄港地、御蔵島が朝焼けに浮かんでいた。
御蔵島は東京都内でありながら、野生のイルカが生息しており、ドルフィンスイムができることで有名な島。
穏やかなように見えるが着岸を試みることなく引き返すということはそれだけ荒れているのかもしれない。御蔵島の接岸率は、通年で6割程度というかなりの低水準で、東京の離島の中でも到達最難関と言われる青ヶ島と最下位を争う島である。
三宅島を7時に出港して竹芝には14時ごろの到着となるとアナウンスされた。
11時からはレストランが昼食営業を始めるのでお昼ご飯は以前さるびあ丸でも食べた島海苔ラーメンにした。
気づいたら6甲板のデッキも開放されていた。
大抵湾内に入ったらある程度は海上は穏やかになるのだが、浦賀水道に入っても船の揺れはほとんど変わらない。
そして風もかなりのスピードで体を打ちつける。
ただ、天気はほとんど雲のない快晴。羽田空港沖では、富士山をバックに離陸する飛行機が見る事ができた。
最終的に竹芝桟橋には予定より10分巻いて13時50分に着岸した。
欠航となったので下船してからターミナルの案内所で全額返金となり、2025年最初の旅は無念の帰還で幕を閉じた。
YouTube・旅行先で集める環境音シリーズ
旅行先で集める環境音シリーズ。
不本意な収録ではあるのだが、三宅島の三池港に停泊しながら、折り返し東京へ向けての出航を待っている橘丸を収録した。
収録機材
・録音:ZOOM H1essential
・動画:iPhone15
・画像:Sony α7ii
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