【旅行記】酷寒の冬の道東旅行Part2-釧路と網走をつなぐ鉄路-

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北の大地、北海道。
冬には雪が降り、気温も氷点下という過酷な環境にある土地だが、そんな酷寒の地ならではの世界もある。
今回の北海道旅行では、そんな酷寒の冬の道東に敢えて訪れることにした。

2日目は網走と釧路を結ぶ北海道の鉄道、釧網線の旅。

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北海道の汽車旅


網走駅、網走の刑務所を出所した受刑者はここから汽車に乗って新たな人生を旅立っていく。
網走駅の文字が縦書きになっているのは、そんな彼らがまっすぐと生きてほしいという鉄道員のメッセージ。

そんな網走駅から釧網線釧路行きの「しれとこ摩周号」に乗車する。

最新鋭のH100系の2両編成。

駅の待合室とホームでは駅弁を購入できる売店がある、かにめし弁当が名物なのだが、昨日道の駅でかにめしを食べたのと、私はほたてが大好物なので、ほたて弁当を購入。

ホームにあった木彫りの熊。

すべてのボックス席は埋まっていて、一分相席になっているくらいの乗車率で列車は網走駅を発車した。
居合わせた地元の方曰く、冬の流氷シーズンはこの列車の前に「流氷物語号」という列車が走っており、観光客は皆そちらに流れるそうで、流氷物語号の走らない夏シーズンは、並んでいないと座席に座れないほどの混雑となるらしい。

北浜駅はオホーツク海に一番近い駅、展望台もあり流氷の時期多くの乗客が訪れる。
流氷物語号の終点になる知床斜里駅からは、流氷物語号から乗り継ぐ乗客がかなり乗車してきて、かろうじて空いていた座席も全て埋まり、立ち席の客も多く車内はかなりの混み具合。

線路もしばらくオホーツク海沿いを走っている。流氷が接岸していれば、白波ではなく氷の風景となっていたはず。

山川の景色も雪の景色、車と対比して北海道のスケールの広さが伝わるだろうか。
車窓を眺めていると大自然を走る沿線には人の気配は感じられないが、野生生物たちはたくさん潜んでいるようで、至る所に足跡が残っている。

そしてその足跡をよく見るといろんな特徴を持っているのがわかる。

一本の溝のように続いているのはエゾジカの足跡。

おそらくウサギの足跡ではないだろうか。

ここは野生生物たちの大通りなのかというくらい足跡が集まっている。

たまに汽車から逃げていくエゾジカの姿が見られた。

冬のSL列車

しれとこ摩周号は釧路駅まで走るのだが、今回は冬のみ走るSL列車「SL冬の湿原号」に乗車するため標茶駅で下車する。
冬の湿原号は、釧路と網走を結ぶ釧網線のうち、釧路湿原を走る釧路・標茶間の50km弱を1時間半ほどかけてゆっくりと走る。


駅前の観光案内所に休憩スペースがあり、そこで網走駅で購入した駅弁を広げられた。
駅で特産品の販売があったり、SL列車に乗車できるのは出発のだいたい10分前くらいなのだが、たっぷりある時間は意外とあっという間に過ぎていく。

標茶駅の天井にはタンチョウが吊るされている。

標茶駅には町のゆるキャラや標茶町の副町長もいて歓迎ムード。
標茶町がかなりSL列車に力を入れているようで、北海道のSLが各地で運行を終えても釧路では客車のリニューアルがあったりと盛り上がりを見せている。
この日は副町長しかいなかったが、町長も来ていることもあるらしい。

煙を吐くと真っ白になってSLの車体が隠れてしまう。

標茶駅には転車台がないので釧路に帰る便ではSLは逆向きで走る。
牽引するのは日本各地で動態保存されているC11形の171号機。1940年に製造された。

牽引される客車は14系客車4両と旧型客車スハシ44の5両編成。
SL列車としては長い方ではないだろうか。

乗車したのは1号車。編成両端のスハフ14はたんちょうカーとしてリニューアルされた。

釧網線は釧路湿原では釧路川沿いに線路が通っているのだが、たんちょうカーの川側の座席は外向きのシートになっている。本当はこの指定席が欲しかったが座席数も少ないので取るのはなかなか難しい。

反対側はボックスシートになっているのだが、一段高くなっていてやはり川側の景色が見やすくなっている。
元々リクライニングシートの車両の窓割に合わせてボックスシートにされているのでかなりゆったりとした間隔になっている。

中間の客車には石炭ストーブが設置されているストーブカーになっている。
また唯一の旧型客車、スハシ44はカフェカーになっていて売店が営業しているが、かなり並んでいたので私は断念した。

5両すべての車両が満席となっていてかなりの大盛況だった。

蛍光灯カバーにもタンチョウがあしらわれている。

雪景色の中煙をたなびかせながらゆっくりと走っていく。
ジョイント音を響かせる客車に揺られるのんびりとしたこの時間、いつまでも続いてほしいものである。

列車は途中の塘路駅で10分ほどの停車時間があった。
タンチョウを餌付けしている茅沼駅は到着後すぐの発車なのだが、こちらも少しタンチョウを観察できる停車時間があったらよりおもしろいと思うのだが、ダイヤ的に難しいのだろうか。

機関車のすぐ後ろの客車からは煙を吐いて走るSLの姿を見ることができる。

雪の釧路駅


標茶からの50Km弱を1時間半かけてゆっくりと走った列車は終着の釧路駅に到着した。
網走からは170Kmほどの距離を移動してきた。

釧路駅は雪が降っていた。

こんな写真を撮っていたら意外とすぐ列車は回送されていったので、釧路駅で機関車を撮ることができなかった。

釧路駅には網走からの釧網線のほか、札幌からの根室線、根室までの通称花咲線が発着するターミナル駅で、駅には自動改札機もあった。

夜の釧路


ホテルで少し休憩したら夕食のために夜の釧路の街を歩く。
ライトアップされた夜の釧路の街。
氷点下の夜の街を歩いていると頭が痛くなってくる。頭を温めるのも大事なのだと、文字通り痛感した。

背景の橋は、SLに乗っているときに見えていた釧路川にかかる幣舞橋。幣舞はぬさまいと読む。初見では全くわからない。

夜ご飯は釧路のB級グルメ、スパカツ。
幣舞橋のすぐ近くにあるスパカツ発祥の店と言われる洋食店「泉屋」。
ピークになるより前にと思って少し早くきたのだが、すでに店内は満席で数組並んでいた。

これが釧路グルメ、「スパカツ」。アツアツの鉄板の上にミートソーススパゲッティとトンカツを乗せた、部活帰りの中学生のようななかなかボリューミーなB級グルメである。大盛りもできるのだが、普通サイズでもかなりのサイズ感だった。
寒い釧路でも最後までアツアツの食事を、ということで鉄板を使うようになったらしい。

YouTube・旅行先で集める環境音シリーズ

旅行先で集める環境音シリーズ。
時折聞こえるSLの汽笛、客車列車特有のモーター音の無いがたんごとんとリズムを刻むレールのジョイント音。SL冬の湿原号がのんびり走る汽車旅の雰囲気を感じていただきたい。
収録機材
・録音:Zoom M3 MicTrak
・動画:Sony VLOGCAM ZV-1
・画像:Sony α7ii

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