北の大地、北海道。
冬には雪が降り、気温も氷点下という過酷な環境にある土地だが、そんな酷寒の地ならではの世界もある。
今回の北海道旅行では、そんな酷寒の冬の道東に敢えて訪れることにした。
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1日過ごせる丹頂の里
釧路湿原周辺では、保護活動の一環として餌の少ない冬季にタンチョウに給餌している場所があり、有名な場所だとタンチョウサンクチュアリなどがある。
今回向かったのは阿寒湖の手前にある阿寒丹頂の里。
釧路駅からは釧路空港を経由する路線バスで1時間半ほど。釧路市街地を抜けるとひたすら雪の世界を走り続ける国道沿いにある。
丹頂の里は道の駅になっていて、お土産、レストラン、温泉などの複合施設になっていて、RVパークも併設されている。
釧路駅・空港からバスでもアクセスできて、ご飯も食べれて、タンチョウも観察できて、温泉にも入れて、1日ここにいても十分に過ごせておすすめできる施設だった。
道の駅の道路を挟んで向かい側にあるのが、阿寒国際ツルセンター”グルス”。
入館料は480円。館内にはタンチョウについての展示もあるが、なんといっても目玉は建物裏手にある鶴の給餌場。
ツルセンターの分館となっているタンチョウ観察センターは施設の老朽化のため今シーズン限りで閉鎖となる。
木から小動物の足跡が伸びていた。リスか何かがこの木から降りて行ったのだろうか。
ツルセンターの建物の裏口に出ると早速湿原の神、サルルンカムイとご対面。
アイヌではタンチョウのことをサルルンカムイと呼んでいた。
けっこうな密度でいる鶴が、すぐ目の前を歩いている光景に感動を覚える。
飼育されている個体ではなく、全て北海道に生息している野生の個体である。
そして鶴を狙うカメラ野郎たちは、意外にも多国籍。
ちょうど見ることのできた給餌の様子。
スタッフがバケツから餌を撒いている。
タンチョウは明治期には絶滅したと考えられていたが、その後釧路湿原にてわずか10数羽だが再発見され、このような人工の給餌が成功し今では1500羽ほどに生息数が回復している。
こちらは鶴親子。色の薄い方が子供。
鶴の家族写真。
鶴は一夫一妻制でずっと同じカップルで生活している。毎年違う番になるオシドリなんかとは違う。
鶴の家族はいつまでも仲良く、というわけにはいかず子供が十分に育ったら給餌場に置き去りにしたりして”子別れ”という習性がある。
子供がいなくてもツガイで歩いている鶴夫婦が至る所にいる。
飛んでいる姿はまさにJAL。
鶴の餌のおこぼれを狙って他にも鳥が集まっているが、特に目につくのはオオハクチョウ。
これだけの群れのオオハクチョウがいたら普通は主役級になるのだが、ここでの主役はあくまでタンチョウ。
至る所にハクチョウがいるがほとんど誰も気に留めていない様子だった。
それにしてもハクチョウの首のグネグネ感はいつ見てもすごい。
この子もグネグネ。
あの子もグネグネ。
地面を突っついて餌を探す鶴。
鶴の横顔はJALのおかげでなんとなくイメージがつくのだが、真正面から見た鶴の顔って絶対に面白いだろうなと思い、地面を突っついている鶴をじっと狙って撮ってみた。
想像通り全くイメージつかない面白顔だった。
そしてこの辺りは釧路空港の着陸ルートになっているようで、本物のJALも時たま見ることができる。
冷えた体を解かす日帰り温泉
すっかり時間を忘れてタンチョウ観察をしていたので、冷えた体を解凍するために道の駅に戻って温泉に入ることにする。
温泉は赤いベレーという建物に入っている。レストランも同じ建物。
道の駅の中には別の建物もあり売店と軽食のお店はそちらにある。
入浴料は560円。お湯は熱すぎず冷えた体を解凍するにはちょうど良い湯加減。
暗くなってきたので、バスで釧路空港を目指す。本数はあまり多くないので事前に時刻表を確認しておく必要がある。
ほぼ時間通りに丹頂の里を出発したバスは、30分ほどで釧路空港に到着した。
空港の入り口のモニュメントの温度計は1.6度を表示していた。
この気温でもずいぶん暖かいと感じられるようになってしまった。
帰りの飛行機も北海道の翼、AirDoでホタテスープを飲みながら羽田空港へ向かった。
ちなみに東京羽田に降り立った時の気温は15度ほどあったので、釧路との気温差は実に10倍あったようだ。
YouTube・旅行先で集める環境音シリーズ
YouTube・旅行先で集める環境音シリーズ。
この日は風が強くノイズが多く、また阿寒国際鶴センターは国道沿いの好アクセスな環境ゆえに車の音もかなりマイクに乗ってしまい撮れ高がなかなかなかったものの、せっかく釧路まで行ったのでなんとか短めの動画にまとめることができた。
Zoom M3 MicTrakはこの旅行に向けて購入していたショットガンマイクと双指向性マイクが組み合わさったMS方式でステレオ録音できる32bitフロートレコーダー。
収録機材
・録音:Zoom M3 MicTrak
・動画:Sony VLOGCAM ZV-1
・画像:Sony α7ii
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