エジプトのピラミッドを紹介した次は、エジプトの博物館を紹介する。
エジプトで有名な博物館は、ギザの大エジプト博物館(GEM)、カイロのエジプト考古学博物館(EMC)とエジプト国立文明博物館(MNEC)。三大博物館とも言われる。
このうちエジプト考古学博物館が一番古く、手狭になったので文明博物館に分散、そして老朽化によって大エジプト博物館に引き継いでいる。
今回のツアーでは大エジプト博物館と文明博物館の2館を見学できた。
大エジプト博物館

つい昨年、2025年11月にグランドオープンしたばかりの巨大な博物館。大エジプト博物館。単一文明を扱う博物館としては世界最大級だそうだ。
ギザのピラミッドの近くにあり、エジプト観光の中心地とも言える。

建物に入るとまず最初に巨大なラムセス2世が待っている。高さは11m重さはなんと82トン。周りに映っている人と比べるといかに巨大かが伝わるだろう。

大階段を登っていくと博物館の展示室があるのだが、階段上にも様々な展示物が鎮座している。下から順に古王国時代から新王国時代となっているようだ。エスカレーターや車椅子用のリフトもあるのだが、体力が許すのであれば階段を登って展示物を見るのをお勧めする。

入り口には博物館の文字。博物館建設には日本の政府系組織JICAが支援しているので、このように日本語が彫られている。

目玉展示と言っても過言ではないツタンカーメンの黄金のマスク。
ツタンカーメンは、紀元前1330年ごろのファラオ。9歳ごろから10年弱王の地位にあり、20歳になることなく亡くなった。しかし副葬品のマスクは3000年以上経った今でもその輝きを放ち、人々に崇められている。

個人的エジプトポイントであるセネト。おそらく世界最古のボードゲームだろうと言われている。

展示物にも日本語による解説がある。世界中から集まるエジプトの博物館で、スマホの翻訳機能を使いながら展示を見ている客がいる中で、我々日本人はそのまま読む事ができるのってすごい事だと思う。

大エジプト博物館がギザのピラミッドの近くにあり、窓越しにはなるがピラミッドビューポイントもある。

太陽の船の展示エリアに行く中庭。噴水のようになっている像は流石にレプリカだろうと思っていたら、ガイドが「これら全部レプリカではなくオリジナル」と言っていた。古代の遺物が多すぎて扱いがあまりにもカジュアル。

こちらも中庭にあった植物。古代エジプトとは切っても切れない関係のパピルスである。
パピルスにさまざまな記録が残っていたおかげで、現代でも数千年前の古代エジプトのことがわかる。このツアーでは、パピルスの加工の実演も見学する機会があったのだが、当時のエジプシャンたちはよくパピルスを加工したら記録をいつまでも残せるという事を発見したなと思う。

博物館本体とは別の専用の建物で展示されている太陽の船。記録に残る世界最古の大型木造船の一つで、こちらは第一の船。第二の船は早稲田大学のチームが復元を進めている。
現在でもこの船でナイル川を航行できると言われるほどしっかりとした船らしい。木材をロープで組み上げる構造なのだが、展示はあえて緩い状態にして内部構造が見えるようになっている。
エジプト国立文明博物館

こちらは2021年にオープンしたエジプト国立文明博物館。
なんと言っても目玉はミイラギャラリー。王家の谷をイメージした地下の薄暗い展示室に、ラムセス2世をはじめとした名だたるファラオのミイラがなんと22体も展示されている。3000年前に生きていた古代文明の王が、その姿をそのまま現代に残している、本当に信じられない事である。
残念ながらミイラギャラリーは写真撮影は禁止で、展示室に入る前にカメラや携帯電話といった類のものは全てカバンにしまうよう指示される。


こちらのレリーフは戦いの様子を描いたものだが、ウマの足が幾重にも重なって描かれているのがわかるだろうか。これは馬が早く走る脚の残像を表現しているそうだ。現地ガイドは“マンガ”と言っていた。

こちらの博物館にもセネトが展示されている。

そして面白いのはセネトをプレイしている様子が描かれたプレートも遺されている。
文明博物館の展示スペースはあまり広くなく、大エジプト博物館の後だと小さく感じられるかもしれない。しかし今回のツアーは、博物館のバックヤードの見学もあった。写真は撮れなかったのだが、バックヤードは展示スペースの何倍もの広さがあり、雰囲気は病院と理科室を混ぜたようだった。日々新たな発掘や発見があり、それを復元している最前線、中にはつい数日前に吉村作治先生の発掘チームから届いてまだ開封されただけといったものまであった。
写真でお見せできないものが多かったが、それらはぜひ現地に足を運んで皆さんの目で見て感じていただきたい。
エジプトは日本、そして東アジアの感覚では信じられないような刺激的な世界で、正直気疲れもかなりあったが、それでもテレビや図鑑でしか見たことがないようなピラミッドを筆頭とした古代エジプトの遺物や、アラブ世界のエジプトの街などを実際に体感できたのはかなり大きな経験だった。
私のエジプト旅行記が、皆さんのエジプト訪問のきっかけの一つにでもなってもらえれば幸いである。

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