熱帯の都市国家・シンガポール 番外編 出会えた野生生物まとめ

生物多様性の都市

シンガポールは小さな都市国家。一般的にイメージされるシンガポールの姿といえば都会のキラキラした街だと思う。

都会的なシンガポール

しかし、シンガポールは古くから自然の保全にも力を入れてきて、現在でも「City in Nature(自然の中の都市)」と掲げて緑豊かで住みやすい持続可能な都市を目指している。

人々の生活があるすぐ裏側に豊かな熱帯の自然が存在し、これからも自然との共生を目指しているのだ。

シンガポール、都市と自然の共生

東京都23区と同じくらい広さと言われるシンガポールだが、シンガポールの生物多様性を東京に置き換えてみると「日比谷公園にはサルとリスがいて、神田川や渋谷川にはカワウソが泳いでいて、葛西臨海公園にはワニがいる」といった具合だろうか。それくらい身近な場所に多様な生物が生息している。

シンガポール旅行の様子は6つの記事で紹介してきたが、この記事は番外編として、自然豊かなシンガポールの各所で出会えた熱帯の野生生物たちをリスト形式にまとめて紹介する。

昆虫

Purana Usnani

シンガポールで木のあるところならどこにでもいるセミ。しかし姿はなかなか見られなかった。ツクツクボウシのような、はたまたミンミンゼミのようなセミだが、分類学上はヒグラシ族になるようだ。どれだけ調べても和名は見つからなかった。

ツムギアリ?

おそらくツムギアリ。葉っぱを紡いで巣を作るのが由来。獰猛な性格らしい。自然保護区のボードウォークの手すりで隊列を組んで移動していたのだが、気づかないでうっかり触っていたら大惨事になっていたかもしれない。
Sungei Buloh Wetland Reserveにて。

ムラサキツバメ?

シジミチョウの仲間。広く分布しており、日本でも南東北あたりまで発見例があるのだとか。というのも幼虫の食草の一つがマテバシイで、日本でも街路樹としてよく植樹しているので餌に困らないのだとか。緑色の目が美しい。
Sungei Buloh Wetland Reserveにて。

ルリモンジャノメ?

タテハチョウの仲間。ジャノメの名の通り、羽に丸い模様がある。日本ではここ数年で八重山諸島に定着しているらしい。
Sungei Buloh Wetland Reserveにて。

野鳥

セキショクヤケイ Red Junglefowl

シンガポールのどこにでもいる野鳥の一つ。ニワトリはセキショクヤケイを肉や卵などを利用するために家禽化したもの。鳴き声はニワトリそのもの。

オスは大体こんな色をしているのだが、メスの体色が結構バリエーションが豊富。この子は男まさりな色鮮やかなタイプ。

もはや違う種類の鳥かと思うくらい無彩色なタイプ。大体どこで見ても、オスとメスと数羽の雛というファミリーで行動している。

コウライウグイス Black naped oriole

黄色と黒の警戒色のいかにも熱帯という風情のある鮮やかな鳥。日本各地でも迷鳥として現れるそうだ。こう見るとすごい目立つのだが、森の中で陽の当たった木の葉や枝でごちゃごちゃした背景にいると意外と見つけづらかったので、熱帯雨林で生き抜くための擬態なのかも。

イエガラス House Crow

良くも悪くもどこにでもいるカラス。日本にいるハシブトガラスやハシボソガラスよりかは小柄。本来の生息地はインド、中国南東部で人為的に移入されたそうだ。

カノコバト Spotted Dove

シンガポールのどこにでもいる鳩。日本の鳩に比べるとかなり小さく、尾羽が長い。Spotted Doveの名の通り、首の後ろにスポット模様がある。

チョウショウバト Zebra Dove

こちらもシンガポールのどこにでもいる鳩だが、カノコバトより遭遇率は低かったように思える。
姿形自体はカノコバトに似ているが、青い頭に虎柄の模様なので容易に見分けがつく。

カワラバト rock dove

日本でも見られる鳩。原産は地中海周辺地域なのだが、世界中に移入されている。帰巣本能が強く、伝書鳩として利用されてきた歴史がある。

ジャワハッカ Javan Myna

シンガポールのどこにでもいる鳥。ムクドリの仲間だといえば、どんな鳥なのか想像がつくだろう。

ナンヨウショウビン Collared Kingfisher

カワセミの仲間。日本のカワセミより一回りほど大きい。鳴き声が結構やかましく、いるとすぐわかる。

Sungei Buloh Wetland Reserveにて。

シロスキハシコウ Asian Openbill

コウノトリの仲間。今回見かけた野鳥の中でも最大級。名前の通り横から見ると嘴に隙間がある。

Sungei Buloh Wetland Reserve・Bishan–Ang Mo Kio Parkにて。

シロハラクイナ White-Breasted Waterhen

沖縄でも見られるらしい。姿形は日本にもいるバンとかオオバンとかのクイナの仲間そのもの。鳴き声も似ていた。
住宅地の公園にいたシティな個体は平気で人に寄ってくる。

Sungei Buloh Wetland Reserve・Bishan–Ang Mo Kio Parkにて。

ウオクイワシ Grey-headed fish eagle

シンガポールの猛禽類の中でも比較的見つけやすい種らしい。ビシャン-アンモキオパークのマクドナルドでハンバーガーを頬張っていたら目の前の木に飛んできた。色的に最初は大きめの鳩かと思った。

Bishan–Ang Mo Kio Parkにて。

アオショウビン White-throated Kingfisher

日本にはアカショウビンという赤いカワセミの仲間がやってくるが、その対義語のような青いカワセミ。こんなカラフルな鳥が普通に公園で見られるのすごい。

Bishan–Ang Mo Kio Parkにて。

ハクオウチョウ White-crested Laughingthrush

東南アジアの鳥だが、シンガポールではペットとして持ち込まれたものが脱走して繁殖しているようだ。チャームポイントのトサカのような飾り羽は見れなかった。

RailCorridior Bukit Timahにて。

シキチョウ Oriental Magpie Robin

英名にmagpie(カササギ)と入っているが、カラスではなくヒタキの仲間。

シンガポール植物園にて。

哺乳類

カニクイザル Crab-eating macaque

シンガポールで一番よく見かける猿。ニホンザルとは遺伝的にかなり近い種類だそうだ。

ニホンザルと決定的に違うのは長いしっぽがあること。バランスを取ったり、枝に巻きつけたり器用に使っていた。

バナナリス Plantain squirrel

シンガポールの森林から住宅街の公園まで意外とあちこちにいるリス。

Plantainというのは、いわゆる調理用のバナナのこと。英語ではPlantainとBananaと区別されるのに対して、日本語ではどちらもバナナと表現するのでPlantainに対応する言葉がなくバナナリスという和名になった。PlantainとBananaは果実をどう利用するかで呼び分けているだけで、分類学的な区分があるわけではない。

日本にも外来種として定着しているタイワンリスの仲間で、鳴き声もタイワンリスそっくりだった。お腹の毛が鮮やかなオレンジ色なのが特徴。

爬虫類

イリエワニ Salt-water crocodile

世界最大の爬虫類。最大で7メートルほどになると言われている。

大口を開けてお昼寝中のワニ。口を開けるのは脳が過熱しないように放熱するため。奥から来たオオトカゲは流石にここは通れないと諦めたようで引き返していった。

沼を見るとワニのいくつか黒い影がゆっくり動いているのが見える。

Sungei Buloh Wetland Reserveにて。

マレーオオトカゲ malayan water monitor

シンガポールで一番よく見かける野生生物。最初こそ物珍しさで見つけると嬉しくなるのだが、一瞬で飽きる。それくらいどこにでもいる。
人間なんか眼中にないくらいのノリでそこら辺をのそのそ歩いている。コモドドラゴンもオオトカゲの仲間。

ホオグロヤモリ Asian House Gecko

ニホンヤモリと同じくらいの小さなヤモリ。住宅地などでケッケッケッと鳴いている。沖縄などにも定着している。

コグシカロテス Green Crested Lizard

黄緑色で長い尻尾の美しいトカゲ。Sungei Buloh Wetland Reserveにて。

オリエンタルガーデントカゲ Oriental garden lizard

比較的小さめのトカゲ。Sungei Buloh Wetland Reserveにて。

最後に

シンガポールで出会った野生動物を紹介してきたが、もちろんこれが全てではない。名前の調べがつかなかった物や写真が撮れなかった物は紹介できていないし、見つけられていない生物もたくさんいる。

また今回行けなかった自然保護区や行った場所も時間帯を変えたらまた違う出会いがあるはずで、次回の訪問ではそんなテーマを持っていきたいと思っている。

都市でありながらこれだけ豊かな自然と共生するシンガポール。こんな世界がいつまでも続いてほしい。

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