【日帰り旅行記】小湊鐵道でのんびりとした夏の里山時間

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千葉県の五井駅から走る東京から近いローカル線、小湊鐵道。
小湊鐵道には前にも一度秋に訪問しているのだが、今回は夏の里山を散策してきた。

旅の始まりは五井駅


いきなりびっくりしたのだが、五井駅の券売機、以前は田舎の道の駅の食堂の食券機みたいな感じだったのが、キャッシュレス対応の最新型になっていた。

ホームに向かうとすでに列車はドアを開けていた。
車両は最近JRからやってきたキハ40。

車内はボックスシートになっているので車窓が楽しみやすい。

昔ながらの開けられる窓。

観光急行


五井からの列車は途中のターミナル駅、上総牛久が終点となり、そこから先は観光急行に乗車。
観光列車としてトロッコ列車が走っているのだが、機関車に修理が必要になってしまい運休となっているので、そのかわりに急行列車がトロッコの時刻で走っている。
JR北海道とのコラボで宗谷線を走った急行のヘッドマークが月替りでついていて、7月は利尻だった。

上総牛久駅のホームには金魚がいた。キハ40と同じ色。

牛久を出発して最初の停車駅は上総鶴舞駅。


駅本屋は有形文化財にも登録されている。

絵に書いたかのようなレトロな駅は大正14年の開業当時からそのまま使われている。
テレビのロケにも使われたりする。ここでは11分の停車時間が取られているのでこの時間で駅を見学できる。


今は使われていないホームが草木に覆われている。
鶴舞を発車したら、高滝に止まって里見駅で再び停車時間がある。

里見駅は列車が行き違いできるようになっている駅で、上総中野方面からやって来る列車と交換待ちをする。
木造の貨車が置かれていた。こちらも小湊鉄道の開業に向けて大正13年に製造されたもの。

交換待ちに構内の踏切から撮影

ホームでは軽食や飲み物などが販売されていた。

里見を発車したらすぐに飯給駅でまた停車。
特にこれと言ったものはない田舎の駅。
難読駅名として知られる飯給駅、読みは”いたぶ”。

何もないとは言ったが、特徴のある施設といったら世界一大きな女子トイレが駅前に存在する。

こちら小さい方が男性用兼多目的トイレ。

この大きい囲いまるまるが女子トイレ、ひとり用の個室である。

自然の中のトイレという一応アート作品。

線路脇には桜の木がある。

線路の向う側にあるのは白山神社。田んぼは休耕地になっていた。

チバニアンの月崎で里山ウォーク

飯給駅で7分ほど停車したのち、今回の第一目的地であるチバニアンの最寄り駅、月崎駅で途中下車する。


月崎駅のホームにはたくさんの風鈴が吊るされている。


こちらの駅も有形文化財に登録されている。

チバニアンというのは、約77万4千年前~12万9千年前の時代の名称でラテン語で”千葉の時代”の意味。
地質年代の名称に、日本の地名が採用されたのは初めての出来事だそう。
現時点で地球史上最後の地磁気逆転現象の記録が残っている地層が、地殻変動や養老川による侵食などで観察しやすい状態で存在していて、そこが国際標準模式層断面となったというのがチバニアンの由来。

月崎にはチバニアンを見学するために立ち寄ったのだが、”駅の向かいにあるヤマザキショップでレンタサイクルを借りられて、チバニアンまで自転車で行ける”というネットの情報で向かったのだが、なんと現在はレンタサイクルはもうやめてしまったらしい。
駅からチバニアンまでは徒歩だと30分ほど。歩いてもギリ行けないこともないのだが、とんぼ返りになってしまいそうなので今回は断念することにした。

ということで次の列車が来るまで駅周辺を里山ウォーキングして時間を潰した。

駅から歩くと永昌寺トンネルという手掘りのトンネルがある。
「観音堀り」という五角形の掘り方で、山の圧力が左右に分散し、崩落を防ぐ効果があるという。
千葉はいたるところに手掘りのトンネルが存在しているのだが、房総半島の岩は柔らかく掘りやすいらしい。

トンネル内部に入るとヒンヤリと冷たい空気が心地よい。
ところどころ山から滲み出た水が滴っている。

トンネルをあとにして田んぼと森を隔てる道を歩く。先程までパラパラと雨も降っていたのだが、いつの間にか夏の空が見えていた。

森の中は鳥のさえずりが響いてくる。

踏切の音が聞こえてきたので構えてみたら、先程の急行の折り返し列車がやってきた。緑色の里山の風景に、朱色の車体が映えている。

踏切から駅方面を見るとこんな感じ、のどかな駅である。

駅の反対側は森の中に線路が伸びていた。


駅前には森ラジオというやはりアート作品がある。

草木に覆われているが廃墟ではなくこういうコンセプトの作品である。

風が吹きぬけるたびに涼し気な音色が響く駅で次の列車を待つ。

末端区間は山のぼり

ここからは以前の訪問では災害による不通で未訪問だった小湊鐵道の終着駅、上総中野を目指す。

やってきたのは昔からの小湊鐵道の顔、キハ200。長いロングシートの車両。

天井に扇風機がついている車両はいまやなかなか見かけない。

紫陽花はピークは過ぎた時期だったが、まだ咲いていた。

大久保駅にはひまわりが咲いていた。秋にはイチョウの紅葉もきれいな駅である。

線路沿いを彩る季節の花は沿線住民によって植えられたものだそう。

養老渓谷駅まではまだ比較的本数があるのだが、もう一つ先の上総中野までの列車は本当に少ないので更に一本あとの列車に乗る。

ホームを歩いていたらアオダイショウがいた。
これはうっかり私に踏まれそうになって大慌てで逃げていくところ、申し訳のないことをしてしまった。

夏の森の中を走り抜ける。末端区間は結構山登りの旅路となり、列車のエンジンを唸らせてゆっくりと走っている。

たどり着いた小湊鉄道の終点、上総中野。
五井からまっすぐ乗っても1時間半弱かかる。

この先の線路はいすみ鉄道。
帰りはまっすぐ五井駅まで、また里山を揺られて帰った。

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